「冬眠から目覚めたばかりのナマズのように愚鈍な私がUCバークレーに合格したというのは何かの間違いで、そのうち合格取消しの通達が来るのではないか」という陰鬱な予感が私の心を支配しはじめた頃、UCサンディエゴのアドミッション・オフィスからSkypeインタビューへの招待があった。
UCサンディエゴのIRPS(School of International Relations and Pcific Studies)は、その名のとおりアジア太平洋に強みを有する国際関係論のプログラムである。私は仕事でここを卒業した先輩方にお世話になる機会が多く、IRPSの学習環境の素晴らしさはよく知っていたし、また政治学や経済学のプログラムが充実しているというのも、私の興味・関心とマッチするものであった。そんなわけで、留学準備のきわめて初期の段階から、このスクールに出願しようと心に決めていたのである。
私は早期出願(〆切が12月初旬と早いぶん、通常プロセスに先駆けて審査をしてくれる制度)で申し込んだが、早期の合格には至らなかった。その代わりに、早期のウェイトリスト(補欠合格者のリストのようなもの)に載ることになった。こちらの「早期」はあまり嬉しくない。
そうして季節は冬から春になり、ときにはUCサンディエゴの別の修士コースへの入学を推薦されることもあったのだが、基本的には私の身分に変化はなかった。そんな中で、定員に若干の余裕でも出たのだろうか、ある日突然、私に白羽の矢が立ったというわけだった。
とはいえ、私はすでにUCバークレーに進学すると決めている。
面白半分にインタビューを受けるわけにもいかない(むしろ、もっと早く辞退しておくべきであった)。そこで、丁重にお断りのメールを書いて、送信ボタンを押すことにした。
ありがとうございました、UCサンディエゴさん。そのうちそちらに遊びに行くかもしれません。
【補遺】
Skype等によるインタビューは、他の複数の大学院の入学プロセスでも要求された。聞くところによると、どうもこれは去年や今年といったごく最近の傾向であるらしい。技術革新が世の中を変えるという真理を改めて実感した次第である。英語が苦手な者にとってはあまり嬉しくない変化ではあるけれど。
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