2012/12/25

アダルトスクールの多様性にも感銘を受けたこと

先生 「今日のテーマは、泥棒です」

先生 「グアテマラでは、何がよく盗まれますか?」
グアテマラ人 「バスが盗まれます」
先生 「えっ?」
ブラジル人 「ブラジルでもそうだよ」
カメルーン人 「カメルーンもそうやで」

先生 「イラクでは、何がよく盗まれますか?」
イラク人 「何でも。どこでも盗まれるよ」
パレスチナ人 「パレスチナでは、家が盗まれるわ」

先生 「トルクメニスタンでは、何がよく盗まれますか?」
トルクメニスタン人 「トルクメニスタンには、泥棒はいません」




 先々月から、バークレー・アダルトスクールのESL(English as a Second Language)のクラスに通いはじめた。アダルトスクールは、市民向けの講座を提供する公立学校。「たのしいフラダンス」とか、「すこやか太極拳」とか、「やりなおし基礎数学」とか、「すぐに使える!Adobe Photoshop」とか、「再チャレンジ!スペイン語」とか、まあ講座名はいま私が勝手に意訳したけれど、そんな按配の講座がいろいろあって、そのひとつにESLのクラスがあるというわけだ。

 公立であるため、授業料はとても安い。ESLのクラスなどは、週4回×3時間、1セメスター(約5ヶ月)でたったの45ドルである。移民たちに英語を教えるのは、治安対策や対米感情の向上なども含め、全体的としてアメリカの国益にかなうということなのだろう。

 私の思うところ、アダルトスクールの最大の魅力は、生徒たちの多様性にある。以前、このブログでGSPPの多様性について触れたことがあるけれど、国籍と年齢の面ではアダルトスクールに軍配が上がるのではないか。

 たとえば、私のクラスメートの国籍は、メキシコ、ブラジル、グァテマラ、エルサルバドル、チリ、中国、韓国、モンゴル、インド、パキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラク、イエメン、パレスチナ、アルジェリア、カメルーン、ロシア、ポーランド、フランス、ドイツ、イタリア、バスクという幅の広さだ。バスク人に出会ったのは初めてのことで、思わず「トレヴェニアンって知ってる?」と鼻息荒く尋ねたが、答えは「誰それ?」であった。残念。
(トレヴェニアン:アメリカの覆面作家。代表作に日本とバスクを舞台にした小説「シブミ」など)

 年齢は、20代から70代まで、平均して30代後半といったところ。生徒たちは、各々の人生で各々に成功し、また各々に挫折し、妥協し、衝突し、出会い、別れ、そうして何がしかの事情と屈託を抱えてこのクラスに来ている。その琥珀色の味わいは、UCバークレーではなかなか得られない種類のものだ。




先生 「今日のテーマは、男女の賃金格差です」

先生 「あなたの国では、男性と女性のどちらの給料が高いですか?」
生徒A 「男性」
生徒B 「男性」
生徒C 「ほぼ同じ」
生徒D 「ほぼ同じ」

・・・

生徒E 「女性」

先生 「おや、珍しいですね。なぜですか」

生徒E 「戦争があったから。男たちは、みんな、死んでしまったから」

2 件のコメント:

  1. はじめまして。現在UCLAに1年間だけ、留学をし、ビジネスについて勉強しているものです。。。
    現在は関西の某私立大学を休学(3回生)して、留学している状況ですが、学位をとりおわったら、そのまま、アメリカの大学院(UC/アイビーリーグ/etc)にいこうと思い、準備しようとしているところです。

    もともと大学では、政策学部で、国際貿易/開発経済を中心に勉強しているのですが、もっと勉強をして、アメリカで仕事をしたいと考えています。そこで質問なのですが、UCバークレーの公共政策には、新卒の学生などはいるのでしょうか???

    なにぶん、大学院の知識がなく、的を外した質問ならすみません。。。

    また、就業経験などは必要でしょうか???

    もし、就業経験が必要であれば、しっかり仕事をしてからアメリカで勉強をして、キャリアアップを目指してもいいなと考えています。(その辺はフレキシブルにいこうと思っています。)

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  2. johndemasudesuさん、はじめまして。アダルトスクールの記事にコメントをするっていうのが、渋くていいですね。

    以下、ご質問に回答します。

    >UCバークレーの公共政策には、新卒の学生などはいるのでしょうか?
    はい。数としては多くありませんが(概算で全体の1割くらいです)、新卒の学生は存在します。UCバークレーの学部卒→GSPPの日本人もいますよ。

    >就業経験などは必要でしょうか?
    上記の答えのとおり、必須ではありません。johndemasudesuさんの場合、政策学部に所属し、UCLAにも留学されているということで、同世代の新卒の日本人よりもエッセイなどを書く上で強みがあるように思います。
    他方で、留学生の場合、職業経験を有する方の割合が(アメリカ人に比べて)多いのも確かです。英語を主言語としない留学生に求める「プラスアルファ」の要素として、職業経験がより重視される傾向にあるのかもしれませんね。

    >その辺はフレキシブルにいこうと思っています。
    素晴らしいことですね。フレキシブルかつポジティブに、人生の航海に乗り出してください!


    また質問などありましたら、いつでもどうぞ。
     

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